「癒し系の社会へ」

M)どうすれば、ホームレスの人口が減って、救われると思いますか?


S)それは、やっぱりね、福祉行政だね。
 あとは、お子さんから教育をしていかないと、絶対それはね、
 永遠になくならない。
 偏見とかね、そういうのも、お子さんのレベルから何とかしていか
 ないと。お子さんが、人の言うこと、一人一人の人格を理解できる
 社会ができていかないとダメですね。
 お子さん同士が、他人を理解できたら、その人たちが社会を形成し
 たときに、癒し系の社会ができるから救われるんじゃないかなあ。
 人のことを思いやれる、癒し系の社会を、お子さんに作っていって
 ほしいですね。

M)今、東京都が打ち出している対策については、どう思いますか?
  
(対策の内容については、日記ページ2/19参考)

S)まあ、いいことだとは思いますよ。
 まだ分からない部分がいっぱいありますけどもね。

M)期限など、条件なんかについては、どう思いますか?

S)自分は、半分くらいの人は、なんやかんやで無理で、
 アパートを出てくると思いますけどね。
 そしたら、同じ公園に戻れなかったら、別の場所に移動する、って
 だけの話で、ホームレスはなくならない。
 いたちごっこみたいなことでね。
 あとは、仕事、って言っても、それぞれに合った仕事を見つけなけ
 ればならないと思うし、仕事ができない人もいる訳ですし、
 仕事をしろ、って強要してもいけないし、その辺、ちゃんと考えていか
 ないといけないですよね。一人一人の人格というか、考え方に沿った
 対応をとらないといけないと思いますよ。

M)渋木さんは、3000円のアパートには入りたいと思います?

S)うーん。それは、今はちょっとまだ分からないですね。
 すごくいいことだとは思いますけど、具体的なことが分からないと、
 今はなんとも言えないですね。

 

「夢・幸せについて」


M)渋木さんの夢は?


S)自分の夢っていうのはね、人並みで・・そんなにいっぱいお金が
 欲しいんじゃなくて、働いて、自分の部屋を持って、
 あと、税金を払って、それをやりたいな、と。
 それと、健康保険とかね、自分でやってみたいな、と。

 当面の夢、というか目標は、「ビッグイシュー」をどんどん広めていく
 ことですね。とりあえず、そろそろ新宿を出て、次の場所を開拓して
 いきたいんです。それで、もし生活できるようになったら、
 今度は、「ビッグイシュー」を支えるボランティアとして参加していきたい、
 とも思ってますよ。

M)なるほど。
 では、今、渋木さんが幸せを感じるときってどんな時ですか?

S)そうねえ。今は、雑誌を売ってる時はもちろん、掃除のボランティアを
 している時、教会の礼拝、賛美歌を歌ったり、説教をきいたりね、
 そういったこと一つ一つが、幸せですね。

M)沢山お話聞かせていただいて、ありがとうございました。
 










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2004.3.8