第3回ゲスト  
      HITOSHI SHIBUKI (52)


プロフィール

名前: 渋木一誌
出身地: 新潟県
生年月日: 1951.9.19
星座: 乙女座

血液型: A
最終学歴: 地蔵堂郷中学校
好きな食べ物: あんぱん
趣味: 読書
尊敬する人: イエス・キリスト / 良寛

2/2の日記にも登場頂いた、渋木さん。渋木さんは現在、
雑誌「ビッグイシュー」の販売員として、日々奮闘中です。>





村上(以下:

渋木(以下:
M)今日は、いいお天気ですね。

S)そうですね。久々に暖かくて、これで風がないと
  いいんだけど。風がある分、寒いですよね。


M)雑誌の販売は、これからですか?

S)そうね、徐々に始めようと思うんだけど、今日は、
 ちょっと体の調子が良くなくてね。
 どうしようか考えてるところなんですよ。


M)体は、どこが悪いんですか?

S)腰がね、椎間板ヘルニアで、立ってるのも辛いんですよ。
 さっき階段踏み外して、更に痛めてしまって。


M)あらら、では、様子を見たほうがいいですよね。

S)そうね。ちょっと休んで考えます。
 痛むときは、いつも突然で・・治まると楽になりますから。


M)座ってお話を伺うのは大丈夫そうですか?

S)それは、全然いいですよ。

---という訳で、ベンチに座ってお話を伺うことに---


M)渋木さんは、前回2月にお会いした時に、ホームレス歴
  4ヶ月、とおっしゃっていましたよね。

S)そうですね。あれから1ヶ月だから、もう5ヶ月ですね。

M)その後、雑誌の売れ行きはどうですか?

S)最近はね、ちょっと低迷気味なんですよね。日によるけど、
 自分の体調が良くないときは、それに比例して売れない気
 がしますね。他の人はいいんでしょうけど・・。
 私の場合は、なかなかですね。

M)なるほど。体調が良くない時って、どうされてるんですか?

S)人通りが多い時間は、駅周辺で寝てる訳にもいかない
  から、漫画喫茶行ったりカプセルホテルに行って休んだり
  もします。でも、すごくお金がかかるんですよね。
  で、悪循環なんですね。

M)厳しいですね。

S)そう、大変なんですよ。
 腰が痛いと、立ってるのも本当にきつくて、
 仕事にならないんです。前の仕事(居酒屋)も、
 それで続けられなくなって、ホームレスにもなってしまった
 んです。

M)腰の調子が悪くなったのはいつ頃からなんですか?

S)もうね、だいぶ前。小さい時からなんですよ。
 でも、年々ひどくなっていくんですよね。

M)渋木さんが上京したきっかけって何だったんですか?

S)とにかく東京で仕事がしたい、と思ってね。
 それまでは、地元の新潟で洋食器の会社に勤めていたん
 ですけど、東京に憧れて・・演劇に興味があってね。
 俳優になりたかったんすよ。
 で、養成所に通いながら、バイトして・・。
 でも、俳優の仕事は全然なくて、続かなかったですね。
 養成所に通うお金と時間がなくなって、断念しました。

M)では、その後のお仕事は?

S)それからはね、紙で容器を作る会社に6年ほど勤めて、
 その後は、建築関係の仕事をずっとしてました。
 ホームレスになる前の僅か半年だけ飲食業界(居酒屋)で
 働いてましたけど、それまではずっと建築業界です。

M)今、渋木さんの生活パターンってどんな感じなんですか?

S)今はね、朝5時に起きて、教会に通ってるんですよ。
 大体一日のパターンは決まっていて、教会には土曜日以外
 毎日通ってます。教会には、噂でご飯が食べられる、
 ということで行ってみたんですけど、通うようになってから
 徐々にイエス様の教えに影響を受けるようになって、
 今では、信じることで救われているんですよね。
 実は、12月の下旬に洗礼も受けたんですよ。
 なので、教会には日々通ってます。
 7時前に礼拝が終わって、それからご飯を食べて、それから
 は、新宿駅周辺の掃除をボランティアでやってるんです。
 それで、掃除が終わったら、早い日は10時から、遅い日は
 14時頃から「ビッグイシュー」を売り始めるんです。
 で、大体、夜の6時〜7時くらいまで売ってます。


M)信じることで救われる・・ですか。

S)そうですね。人間ですから、信念が揺らぐこともありますけど、
 でも、信じることで今は救われているんです。
 今となっては、もう、私の生活の一部なんですね。
 駅の掃除のボランティアも、奉仕の心からやってるんで、
 誰も気付いてくれなくてもいいんですよ。
 自分の気持ちが幸せになるんです。


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