映画「東京ホームレス」公式ホームページ

村上知奈美監督作品 東京ホームレス

あらすじ STORY

祖母から送られて来た沢山のみかん。
フリーアナウンサーの村上知奈美(28)は、職場に向かう途中の駅で見かけたホームレス生活をしている人に、このみかんをあげたいと思いつつもあげられなかった。どうして、みかんをあげられなかったのだろう。
こうした疑問をきっかけにして、ホームレス支援のボランティアを始めた村上は、ホームレス生活を送っている二人の男女と知りあう―みっちゃんと山ちゃん。
みっちゃんは、空き缶などを拾って生活をしている女性で、公園で寝泊まりをしている。山ちゃんは、国会議員の秘書、社会保険事務所の職員だったこともある七十代の男性。代々木にある体育館の脇で、段ボールを敷いて夜を明かしている。
うどん屋さんでの仕事を見つけ、自立へと向かうみっちゃんと、年齢や体調面などから、なかなか自立の道が開けない山ちゃん。二人とも、家族は自分がホームレス生活をしているのを知ってはいるのだけれども、一緒に暮らそうという言葉は得られない。
村上は、なんとか二人に協力できることはないかと考え、動くのだが…。
家族とは何なのか。「ホームレス」という言葉の「ホーム」とは、単に住む為の「家」を表しているのではないのかもしれない。

監督メッセージ MESSAGE

私がはじめて路上生活を送っている人とお話したのは2003年1月…
代々木公園をパトロールする、というボランティアの現場でした。
そこで見たこと、聞いたこと、知ったことを、とにかく、少しでも多くの人に知ってほしい!とホームページを立ち上げたのが翌年4月…

そのホームページの日記や、インタビューページに登場していただく皆さんの言葉を書き間違えないように…とカメラを回し、記録を撮っていました。

まさか、それらをつなげて映画にしよう、なんてことは考えず撮った映像たち…
少し後になって見返してみると、その人の声をそのまま聞いてほしい、がんばる姿をそのまま見てほしい、と思うようになりました。
そこで、映画用に、と追加の映像を撮り始め、「歯みがきプロジェクト」のメンバーたちとも力を合わせ、なんとか形にすることができました。

この映画は、私が知り合ったホームレスの山ちゃんとみっちゃんとの交流を描いたノンフィクションです。
少しでも、何かを感じていただけ、考えるきっかけとなれたら、幸いです。

村上知奈美