10月29日(金曜日)  「代々木公園・テントの強制撤去」



    今朝午前5時すぎ、代々木公園にて
    野宿者の居住テント9張が 「強制撤去」 されました。
    それは "野宿者の寝込みを襲う" というかたちで行われ、
    警察&作業員&東部公園緑地事務所の職員、
    およそ100人もの人が関わった、ということです。

    私は その時間、仕事中だったので、しばらくしてから
    支援者からの連絡で知ったのですが、
    支援者は、朝日新聞のYさんという記者からの電話で
    知らされた、とのこと。現場に行った時には、既にテントは
    撤去され、バリケードが張られていたそうです。

    <事の経緯>
    まず、なぜ こんなことになったのか?
    支援者の話をまとめると、事の経緯は以下の通りです。

    @先日行われた”公園条例改正の交渉”(10/17日記参照)
    で、話し合いが物別れに終わったことを受け、
    抗議の意味も込めて、支援者&ホームレス当事者が新たに
    テントを9張建て、新規野宿者が居住し始めました。
    Aすると、そのことに不満を覚えた公園管理事務所が
    テントを撤去するように・・と注意をします。
    Bでも、納得のいかない当事者たちは、それを聞き入れず、
    立ち退こうとしませんでした。
    そんな やり取りが何度にも渡ってあったようです。
    しかし、結局話し合いはまとまらず、
    業を煮やした 「東部公園緑地事務所」が、強制撤去を
    行った、ということです。

    私はその場にいなかったので、その状況がどれほどの
    ものだったのか分かりませんが、
    いかなる理由であれ、強制的にテントを壊す、という行為、
    これは やりすぎではないか、と思います。
    そして、このような手段を取った公園管理事務所に対し、
    とても残念な気持ちになりました。

    見ていた周辺の野宿者や撤去された人たちの話によると、
    撤去の際、当事者の声に耳を傾けることもなく、強引に
    テントを壊し、荷物も押収。トイレに行くことも許されず、
    拘束されたそうです。(作業員に蹴られ、怪我をした人も
    いた、とのこと。)

    今日一日、支援者&当事者たちは、現場を見に行った後、
    「代々木公園管理事務所」、「東部公園緑地事務所」、
    「東京都福祉局」、「東京都建設局」に抗議に行き、
    その結果 分かったのが、撤去を行ったのは
    都内の都立公園を管轄する「東部緑地公園事務所」だった
    ということ。東部公園緑地事務所の言い分は、今回の件、
    強制ではなく、「自主撤去」である、というもの。
    (当事者&支援者の話では、これはどう考えても
    絶対にあり得ない、ということでした。)
    当事者の誰もが納得していないのに、公園事務所側は
    「承諾を得た」と答え、更には「これからも積極的に管理権を
    行使し、テントを排除していく」と言われたそうです。

    とてもショッキングな今回の出来事・・
    今は、争いが激化していかないように祈るばかりです。
    お互いがお互いの立場を考えて、
    いい方向に進んでほしいな、と願っています。

    皆さんは、どう思いますか?
    ぜひ、ご意見聞かせてください。







    
   
 10月17日(日曜日)  「公園条例改正・交渉は物別れ」


    ホームレス(野宿者)が都立公園に新たに流入しない
    ように都が同公園条例改正を検討していることに関し、
    渋谷周辺の野宿者や支援者で作る自助組織
    「渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合
    (通称、のじれん)」は15日、
    都東部公園緑地事務所に、渋谷区の代々木公園内で
    テント生活する野宿者を排除せず、
    公園清掃などの仕事を発注することなどを求めた
    話し合いを行った。
    同事務所側は「強制排除などは考えていないが、
    仕事はしかるべき職業紹介所を通じて(広く失業者に)
    紹介していく」とし、物別れに終わった。
    同公園内でテント生活しているのは約360人。
    空き缶や古雑誌の収集、廃品回収や建設業の日雇い
    などで暮らしている。のじれんなどによると、
    同事務所は02年12月〜03年3月の間、
    同公園で生活する人たちに都城北福祉センター(当時)
    を通じて公園清掃などの仕事をあっせんしていたが、
    同センターが同年4月、
    山谷地区の日雇い労働者専門に職業紹介する
    「山谷労働センター」と合併し
    「都城北労働・福祉センター」に再編された後、
    職業紹介を山谷地区の労働者に限定した。
    このため同公園内の野宿者は仕事に就けなくなった
    という。同事務所の田上嘉一副所長は、
    都が野宿者をアパートに安価で入居させ自立を支援
    する「地域生活移行支援事業」に取り組んでいることを
    説明し、「支援事業や自立支援のための特別措置法に
    沿い、テント生活から脱却できる方向で仕事を紹介して
    いく」と話した。
    これに対し、のじれん側は「知事は公園の仲間を条例
    改正で一掃しようとしている。
    我々にとって屋根よりまず仕事。
    仕事があればテント生活じゃなく、サウナや簡易宿舎に
    泊まることができる」と訴えたが、話し合いは平行線を
    たどった。【田中義宏】 (10/16 毎日新聞より)


    
支援団体と公園管理事務所との団体交渉は、他にも
    今まで何度も何度も繰り返されてきているのですが、
    支援者たちが繰り返し言い続けているのは、
    記事の中にもあったように 「排除ではなく、仕事を。」
    「屋根より仕事を。」 ということです。

    私も、その模様を見たり聞いたりしてきています。
    その中で 時々疑問に思うのは、
    公園管理事務所に この問題を真剣に考えようとして
    いる人がいるのだろうか??ということです。
    問題の根本を本当にしっかりと考え、理解しなければ
    解決には繋がらない・・。
    仕事を創り出す、というのは とても難しいことですし、
    管理事務所側にも色々と事情はあるのでしょうが、
    せめて 真剣に耳を傾ける姿勢は欲しいものです。

    話し合いはいつも平行線・・。
    でも、支援者や当事者の粘り強い気持ちや、
    思い続ける力によって きっと何かが少しずつ変わって
    いっている、そう期待したいです。 





    
    10月16日(土曜日)      「天国の扉をノック!?」



    
渋谷のUPLINKにて、「天国の扉をノック!?」という映画を
    観てきました。



            



    < ストーリー >
    大阪、釜ヶ崎。そこは日本最大の日雇い労働者の町。
    暴力が普遍に存在し、人々は常に死に脅かされ、
    生きる為に生きていた。
    そこには人々を惹き付けて止まない何かがあるのか。
    戦後日本から始まる摩訶不思議な空間釜ヶ崎が形成される
    過程も検証し、力強く生きる人々とその心の葛藤を
    フランスの映像作家ブリス・ペドロレッティが
    2001年1月から2002年の6月にかけて撮影した作品。
    2002-3年/フランス・日本/62分/ビデオ

    
(UPLINK FACTORY HPより抜粋)



    62分、と短めの作品だったのですが、様々なことが見事に
    凝縮されていたように思います。
    釜ヶ崎のことは、話で聞いたりして 私なりのイメージは
    あったのですが、映画を観て思ったのは、
    私が今まで見てきた東京のホームレスの方々の様子、
    活動家たちの運動ととても似ているなあ、ということでした。
    あ、ここでもこうなんだ・・何度もそんな風に思いながら
    観ていました。涙を流す、というより重く、そこには、
    ただただ 厳しい現実が映し出されていました。

    今月いっぱい、土日(am11:00〜)だけの上映とのこと。
    あと僅かですが、行けそうな方はぜひ・・。
    「釜ヶ崎」という日雇い労働者の街の世界を通じて、日本の
    ホームレス問題を垣間見ることができる作品だと思います。






    
    10月9日(土曜日)         「台風22号上陸」



   
 関東に今年9個目となる台風22号が上陸しました。
    東日本に上陸した台風としては、
    気象庁が統計を取り始めた1951年以降 最大級の勢力、
    首都圏各地では暴風雨となりました。

    「外出は控えてください」
    警戒を呼びかけるニュースが、朝から何度も流れます。

    代々木公園では、足首まで水が溢れ、歩くのも大変。
    おじさんがテントを直すために外に出ていました。
    「大丈夫ですか。何か手伝いましょうか?」
    「大丈夫!待ってれば過ぎるから!じっとしてるから!」
    「充分気をつけてください!」
    お互いに、会話は それだけで精一杯でした。



          



    多摩川や隅田川周辺に暮らす人も沢山いらっしゃいます。
    河川の増水などによる被害も心配です。




    
    
    
10月1日(金曜日)   「プリペイド式携帯電話の廃止」


    
今日、”NTTドコモ・プリペイド式携帯電話の廃止を検討”
    というニュースが気になりました。

    今朝、番組のニュース解説のコーナーでも話したのですが、
    ホームレスの方の中には、こういった携帯電話を持っている
    人もいます。
    (日雇いの仕事をしてお給料をもらっているけれども、
    アパートを借りる余裕はない、という人は少なくありません。)

    勿論、携帯電話など持っていない、という人の方が多い
    のですが、朝、このニュースを知ったとき、
    ”住所がなくても買えるんだよ!” と言って 新しい携帯を
    見せてくれたおじさんの顔が浮かびました。

    「オレオレ詐欺」や誘拐など 犯罪に使われることが多く、
    問題視されてきたプリペイド式携帯・・
    確かに、廃止されることによって犯罪は減るのだろうな、
    と思います。

    ただ、プリペイド式携帯電話を とても便利に思い、
    人生の再出発のために役立てようと 利用されている方も
    いらっしゃるんですよね。

    あのおじさんは、携帯がなくなったら困るだろうなあ・・。
    仕事の面接を受けるにあたって、連絡先があるかないかに
    よって、採否への影響は大きいものだと思います。

    プリペイド式携帯電話を利用しているホームレスの方に
    とっては、厳しい出来事となりそうです。




(c)chinami murakami All Rights Reserved