9月22日(水曜日)       「若者ホームレスとニート」


    「若者ホームレス」 のことが 少しでも分かるかも・・と思い、
    「ニート」 (玄田有史・曲沼美恵/幻冬舎) を読みました。

    
この本は、経済学者 と ノンフィクション・ライターの方が、
    ニートの実情を調べ、
    その中で分かったことを まとめられたものなのですが、
    若者ホームレスの気持ちを考えるためのヒントが沢山
    詰まっていたように思います。

    9/10の日記で、ニートに関する新聞記事を取り上げましたが、
    ニート人口の増加という問題は、ホームレス問題同様、
    社会全体の問題なのだ、と改めて感じます。

    ニートに至るにも色んなパターンがあり、
    人の数だけ理由があるので、 まだまだ分からないことも多い
    ようですが、大切なのは、自分と違った個性をもった人を
    理解しようとする気持ちなのではないかな・・と思います。

    本の帯に、村上龍さんの言葉がありました。
       「彼らは人生を放棄したわけではない。
           立ち止まって、自立の芽を探しているのだ」 と。

    前に進めず もがいている人の気持ちについて、ちょっと
    考えてみたり、 想像してみる。
    そんなことから始めてみませんか?
    私も、時間をかけて考えてみたいと思っています。

    (ホームレス問題や、ニートの問題に限らず、)
    皆が、お互いの立場を少しずつ考え合う・・。
    ニートの人は、ニートじゃない人のことを考えてみる・・。
    簡単なようで、とても難しいことなのかもしれません。
    でも、きっと 社会が 少しずつ よくなっていくと思います。







    9月10日(金曜日)      「ニート(NEET) 52万人」


    
厚生労働省が10日午前の閣議に提出した04年版
    「労働経済の分析」(労働経済白書)で、
    03年のフリーターは前年比8万人増の217万人、
    15〜34歳の若年層のうち仕事をせず、学生でもなく、
    職業訓練もしていない無業者(ニート)は52万人に上ることが
    明らかになった。ニートはアルバイトをせず、就職する意思の
    ない点でフリーターと区別され、
    教育機関と連携した就労支援策が求められている。

    ニートは
    「Not in Education,Employment or Training」の
    頭文字(NEET)による造語で、
    英国でそう呼ばれるようになった。
    厚労省は今回、総務省の労働力調査から初めて集計した。
    定義は「非労働力人口のうち、15〜34歳、卒業者、未婚で、
    家事・通学をしていない者」。

    02年のニートは48万人と推計され、
    1年間で4万人増えていた。独立行政法人「労働政策研究・
    研修機構」の小杉礼子・副統括研究員が00年の国勢調査
    から推計したところ、ニートは15〜34歳の失業者の約半数
    に相当する人数だった。
    小杉さんは昨年4月、英国のニート事情を日本で紹介した。
    「フリーターと違い、ニートは自ら求職活動をしていないという
    点で社会との接点が乏しい。
    フリーター対策とは別の就職支援策が必要」と指摘している。

    厚労省は来年度の新規事業として、
    働く意欲の乏しい若者を対象に合宿型で就職に向けた
    基礎的能力を養う「若者自立塾」の開設を予定している。
    全国40カ所で20人ずつ、3カ月間の合宿を通じ、
    参加者はパソコンの使い方や建設機械の操縦法など、
    実戦に役立つ授業を受ける。

    また、03年平均の有効求人倍率は0.64倍で、前年より0.1
    ポイント上昇。
    就業者数は6316万人(前年比14万人減)で6年連続して
    減少したが、雇用者数は5335万人(同4万人増)で
    2年ぶりに増加した。完全失業者は350万人(同9万人減)、
    年平均の完全失業率は5.3%で、
    いずれも13年ぶりに好転した。

    リストラなど非自発的な理由による離職者は減少しているが、
    産業別・地域別格差があり、厚労省は「中小企業は依然と
    して厳しい経営環境にある」と分析している。【大石雅康】

    ◇坂口力厚労相は10日の会見で、
    「ニートにどういうきっかけを与えるかが大切。
    放っておけない」とニートの就労支援策に意欲を示した。
    (毎日新聞)


    現在、ホームレス状態にある人は、「失業」をきっかけとする
    パターンが最も多いと思われます。「ニート」の増加により、
    将来のホームレスに新たな層が生まれ、
    ホームレス人口は ますます増えていきそうです。







    9月6日(月曜日)    「第7回インタビュー / 西村さん」




           



    ホームレス歴5年の西村さんと 一日 色んなお話をしました。
    西村さんは、私が初めて知り合ったホームレスの方の一人。
    当時、何も分からない私に 初めて話をして下さった人です。
    ここのところ、しばらく姿を見なくなり、心配していたのですが、
    先週、久々に再会することができました。

    そこで、また色々と聞かせてください!とお願いしたところ、
    第7回インタビューのゲストとして登場頂けることに。

    私の人生の中では、まるで経験のないことを沢山経験し、
    沢山の波を超えてきた西村さんは (私の前では)いつだって
    元気いっぱい。 本当に明るい人です。

    その明るさは 大変な苦労や経験の上にあるということ、
    きっと 辛い経験を乗り越えるために沢山の時間を費やし、
    考え続けている人なのではないかな、と思いながら、
    お話を聞きました。
    詳しくは、後日 インタビューページでお届けしたいと思います。



            







    9月3日(金曜日)   「 タイから来たスウィットさん」


    
今日、タイ人の スウィットさん(52) と知り合いました。
    スウィットさんは今、東京に滞在し、日本のホームレス
    問題について研究・調査をされています。



           



    隅田川、上野、新宿、代々木、山谷などに日々足を運び、
    (知り合いが同行される場合は通訳して頂くそうですが)
    日本語が話せないため、大体においては身振り手振りで
    ホームレスの方々とコミュニケーションをとり、
    とにかく 目で見て勉強をされているのだそうです。

    タイでは、Human Settlement FoundationというNGOで、
    人々を貧困から救うための活動をされている、とのこと。
    タイのホームレス問題、東京のホームレスの方々の印象など
    色んなお話を聞かせて頂きました。

    バンコクのホームレスの人の数は、2000人くらい。
    公園にテントを建てることが禁じられているため、日本とは
    違い 公園にはテントがないことや、公衆トイレが少ないので
    不便だということ、日本のホームレスのように 厳しい冬を
    経験しないので 凍死するということはない、といった話をして
    下さいました。

    東京で最も印象的だったのは 「山谷」 。
    日本は 貧富の差が それほど激しくないはずなのに、
    なぜ こんなにホームレスの人が多いのか・・
    寝ているホームレスの方の多さには驚いたそうです。

    スウィットさんは もうしばらく東京に滞在し、
    一度タイに帰ったら 今度は大阪を訪れる予定とのこと。
    目標は、日本で学んだことを タイでのホームレス支援に
    活かして対策を見出すことだそうです。
    私も、いつか外国の状況を勉強しに行きたいと思います。

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    *ホームレスは、タイ語で KHON(=HUMAN) RAI(=LESS)
     BARN(=HOUSE)というそうです。




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