5月28日(金曜日)       「虫の季節 到来」



     今日は、代々木公園を歩いて回りました。
     天気がよく、割と過ごしやすかったです。

     ただ、そろそろ虫の季節・・!
     夏になると、公園には 色んな虫が出てくるのです。
     これからの時季は 虫対策が大変になりそうです。


          
          久々に会ったAさんと。
          今日は 3箇所も蚊に刺されたとか。


     <報告>
     東京都の低家賃アパート対策については、
     当事者はもちろん、渋谷区では支援者サイドも
     まだまだ動きが分からない状況のようです。
     今日も、話を聞いて歩きましたが、
     皆さん 困惑した様子でした。







     5月17日(月曜日)      「続・みっちゃん」



     先週の火曜日、みっちゃんと約束をしたので、
     みっちゃんのテントを訪問しました。

     ところが、なんと、みっちゃん不在・・。
     少し待ってみよう・・と10分、20分、と待つのですが、
     みっちゃんは帰ってきません。

     近所のおじさんが、「その辺ブラブラしてるか、
     銭湯だよ。15分くらいしたら戻ってくるんじゃないかな」
     とおっしゃるので、もうちょっと待ってみることに。

     それから待つこと1時間・・
     今日はもう無理だな、と思い、テントに置き手紙を残し
     歩いていると、向こうからみっちゃんの姿が!!


        


     思わず 「みっちゃん、どうしたのー?待ってたんだよー!」
     というと、みっちゃんは、
     「なに?今日はダメよ!しゃべってられないから!
     明日は早起きだから、早く寝ないといけないんだから!」
     と叫びます。

     ・・・???
     びっくりした私は、
     「そんなのないよ、みっちゃん!
     約束したから待ってたんじゃん!!ひどいー!!」
     と言い返しました。

     すると、みっちゃん、
     「ごめんなさい。すみませんでした。」
     と、謝り始めるのです。

     私:「ねぇねぇ みっちゃん、今日は、みっちゃんが
        招待してくれたんだよ、覚えてる?」
     み:「そうでした。ごめんなさい。何分いる?今度いつくる?」
     私:「明日早いなら、もういいよ。また今度来るから。」
     み:「今度っていつ?」
     私:「約束しても、みっちゃん忘れちゃうから、とりあえず
       約束はしないでおきまーす」
     み:「今度は忘れない。だからいつ?いつ来る?」
     ・・・とこんな会話が何分と続きました。

     帰り道、支援者の方に話を聞いたら、
     みっちゃんは、記憶が断片的なことも多く、
     何かのきっかけで思い出すと、
     一気に色んなことを思い出す、とのこと。

     そうなのかぁ・・
     実は、前回の取材日の時も、しばらく待ちました。

     自分を基準に 簡単に腹を立ててはいけない・・。
     今日は、そんなことを感じるとともに、
     みっちゃんについて更に知りたくなりました。
     またまた、知らなかったみっちゃんの一面を発見。
     みっちゃんとは、これからも気長に付き合っていけたら、
     と思います。


        








     5月11日(火曜日)       「みっちゃん」


     今年はじめての真夏日・・ まだ5月だというのに、
     東京の最高気温は30度を超えたみたいですね。
     本当に暑かったです!

     そんな中、今日は、
     「みっちゃん」 という女性に会ってきました。

     みっちゃんとは、ずいぶん前から顔見知りで、
     つい最近も会ったばかり。
     でも、ゆっくりお話をしたことはありませんでした。

     皆が「みっちゃん」と呼ぶので、私も、
     「みっちゃん、おはよう!」とか、
     「みっちゃん、元気?」・・と、
     みっちゃん、みっちゃん、と呼んでいたのですが、
     今日、みっちゃんは、
     本当は 「菊子」 という名前だったことを知りました。

     もう13年もホームレス生活を送っている
     「みっちゃん」こと、菊子さんは、
     会えば、いつもニコニコしています。

     慣れ親しんだ周りの誰かが、私のことを、
     (ほんの冗談で)
     「お前」とか「こいつ」などと呼んだりすると、
     「この子にそんな言葉で話しかけるんじゃないよ!」
     と注意をしてくれます。

     そんなみっちゃんの素顔に迫るべく、
     今日は色々と具体的なお話を聞こうとしたのですが、
     みっちゃんの答えは、とにかく、
     「分からない」 とか「あまり覚えていない」 というものが
     多かったです。

     快く今回の取材依頼を受けてくれたものの、
     いざ話をするとなると、
     おそらく 本当は忘れているはずもないことにも、
     「忘れちゃった」 の連続。

     一通り話が終わると、みっちゃんは、
     「今日は、お役に立てなかったかもしないね。
     でも、ありがとうございました。」
     と申し訳なさそうに言いました。

     ゆっくり話すのは 今回が初めてなので
     無理もないかもしれませんが、
     今日は、そんなみっちゃんの
     「わからない」 や 「忘れた」 の数だけ、
     そっとしておいてほしい,
     忘れられない過去を感じました。

     帰り際になると、みっちゃんはずっと
     「今度いつくる?来週?」などと聞いてきます。
     「たぶん来週行けると思うよ」というと、
     「何曜日?月曜がいいかな。」と約束をしようとする・・。

     これからもいつだって会えるよ、と思うのですが、
     考えてみれば、人はいつ、どんなきっかけで
     会えなくなるか分からない・・。
     みっちゃんは、そんなことを誰よりも痛感している
     人なのかもしれません。


        


      *みっちゃんのお話は、第5回インタビューで
       更に詳しくお届けしようと思います。






     
5月4日(火曜日)         「隅田川」


     去年まで、東京の中で最もホームレスの人が多い と
     言われてきた台東区の 「隅田川」 に行ってきました。

     今年の東京都の調べによると、
     隅田川のある「台東区」のホームレスの人の数は、「968人」。
     新宿に次いで、多くのホームレスの方が生活をしています。

     なぜ台東区の人数が多いのか?
     それは、「山谷」 と呼ばれるドヤ街が近いことが、
     理由だといわれています。

     そこで、今日は、
     隅田公園を出発地点に、橋の順に歩いてみることに。
     私が歩いたのは、
     [吾妻橋]〜[言問橋]〜[桜橋]〜[白髭橋] まで。

     川沿いには、沢山のテントがずらりと並んでいます。
     桜橋〜白髭橋の間を数えてみたところ、
     テントの数は 「106張」。
     ほとんどがお留守のようでしたが、中には、テントの中で仲間
     と団欒している人たちや、空き缶をひたすら潰している方など、
     その光景は、代々木公園での光景と似ています。


            


     唯一違うなあ、と思って気になったのは、「 テント」の造り。
     代々木公園や新宿の公園で見かけるものとは違い、
     コンクリートの上に立てられたテントは、
     しっかりと作られたものが多く、
     「高床式」になっているものが、ほとんどだったのです。
     なぜなのだろう?と思い、近くにいた警備員さんにお話を
     伺ってみました。

     お話によると、毎月1回、隅田川周辺では、
     東京都による一斉撤去デーというのがあるらしいのですが、
     撤去の前に、告知のビラがあちこちに貼られるそうなんです。
     そこで、撤去開始時間の直前に、テントをどこか別の場所に
     移動させ、一斉撤去の時間終了後、またすぐに元に戻すのに
     便利なように、折りたたみ式になっている、とのこと。

     清掃班がいなくなった途端に 皆さんが戻ってきて、
     あっという間に、元の通りになるのだそうです。
     その警備員さんの想像では、
     高床式にしておくと、折りたたむのが簡単で、便利なのでは
     ないか?ということでした。
     (ちょっぴり疑問な点もあるため、今度、ちゃんと
     住人の方に直接聞いてみなくては・・と思いますが。)

     そして、話をしていくうちに、警備員さんが本音をポロリ・・。
     「ここもねえ、ホームレスさえいなければ、もっと人が集まって
     楽しんでもらえるのにねえ。なんで働かないのかねえ。
     事情はそれぞれあるのかもしれないけども、
     本人がやる気になれば、仕事なんてあるだろうに。」・・と。

     確かに、ずらりと並ぶテントの横を歩く人の姿は ほとんどなく、
     正直、警備員さんのおっしゃる通り、このテントがなければ、
     きっと もっと多くの人が散歩したりするのだろうなあ、
     と、私も思います。
     だから、警備員さんのお話も、一部、分かるには分かる。
     でも、かといってなぁ・・・・・・・
     でも、でも・・・と、同じようなことを、
     何度も繰り返し考えてばかり。

     ホームレスの人たちに仕事があれば解決するのに・・。
     当たり前の発想なのですが、ずらーっと並ぶテントの横を
     ひたすら歩きながら、そんなことを強く・強く 実感した一日
     なのでした。

       
            
      ものすごい風&砂埃!の荒れた天気の一日でした・・。




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